プレミアムズワイガニに名称変更した その理由
プレミアムズワイガニへの名称変更に至った理由は、より良質なズワイガニを幅広い海域から仕入れる必要が生じたためです。
船籍の減少
これまでは地元京都府の他、兵庫県但馬地方からの松葉ガニを仕入れていましたが、近年、この地域のカニ水揚げが減少しています。
特に、但馬地方では大型船が多く、カニ産業を支えてきましたが、ここ10年で底引き網漁船が約10隻廃業し、今年も津居山港の大型船が1隻廃業しました。後継者不足や設備投資の負担が原因で、今後も漁船の減少が続く可能性があります。
1月下旬からのホタルイカ漁への転換
さらに、年明けの1月下旬から多くの漁船がホタルイカ漁へと切り替えるため、カニの水揚げ量が大幅に減少します。ホタルイカ漁はカニ漁の漁場よりも、かなり近く、燃料費が抑えられ、この時期のホタルイカは「走り」として人気が高く、取引価格が高騰します。
結果として、ホタルイカ漁はカニ漁と同等かそれ以上の収益をもたらすため、漁師はカニ漁よりもホタルイカ漁を選ぶ傾向が強まっています。
一方で、鳥取県産の松葉ガニを何度か仕入れたこともありましたが、カニの選別基準が私の理想とは少し異なっていたため、主力の仕入れ先として継続的に扱うことは難しいと判断しました。
供給と需要のバランス
このような状況では、カニの需要が依然として高いにもかかわらず、供給が追いつかないという課題に直面しています。
そんな中、福井県産の越前ガニにも目を向けたところ、能登半島地震の影響で越前ガニの流通が滞り、弊社にも仕入れの機会が訪れました。
実際に仕入れた越前ガニは非常に高品質で、現地でのセリの様子や管理体制を確認し、安心して仕入れられることが分かりました。越前港では約40隻の中型・小型船が丹後半島沖合から若狭湾沖合で操業し、3月20日まで安定してカニ漁を行っています。これにより、安定した供給が確保でき、弊社にとっても心強い仕入れ先となります。
名称の問題で
ただし、福井県産のズワイガニ(越前ガニ)を「松葉ガニ」として販売することはできないため、行政機関に確認した結果、「ズワイガニ」という名称であれば問題がないと判明しました。
そこで、松葉ガニへの愛着は残るものの、より広い範囲から高品質なズワイガニを提供するため、名称を「プレミアムズワイガニ」に変更しました。この名前により、商品の高級感を維持しつつ、品質にこだわるお客様にも安心してお届けできるようになります。
以上が変更した理由になります。