カニの生息地は奇跡の漁場? 

対馬海峡 間宮海峡の幅が狭く 盆地みたいな形状で、上層部こそ海流が動きますが、海底部は、水温も変わらず 年間を通じて安定しています。

ズワイガニは、主に寒冷地で生息しているのですが、何故 寒冷地でもない この日本海で、生息しているのか。出来るのか。それには、深い理由があります。

それは、日本海固有水というに水塊の存在があるからです。

日本海固有水とは、日本海の特殊な地形により外洋からの深層水がほとんど流入しないため、年間低温で安定した水温が保たれている水塊のことです。日本海全体の8割以上の体積を占める深層(約300m以深)に分布する水塊で、年間を通じて水温は0~1℃程度、塩分は34.1程度とほぼ均質です。 窒素やリンなどの栄養分が豊富に含まれており、さらに深さが深くなってます溶存酸素量も高く、豊かな生態系を支え役割を果たしています。

また、太平洋の深層水とは異なり、日本海の固有水は深くても溶存酸素量が豊富で、深海の生物にとって理想的な環境です。

ズワイガニが生息するには、摂氏0度前後の低温帯が絶対条件となります。

また ズワイガニが臨む海底は、砂と泥が一致した「砂泥質」と呼ばれる特有の地質環境で、これはズワイガニの現状において極めて重要です。 砂泥質は非常に柔らかく、わずかな水流でも沈没さらに、この砂泥質の環境は、プランクトンや微生物が豊富に存在することから、餌となる魚、貝、ヒトデ、イカなど、この豊かな餌環境によって、ズワイガニは栄養価の高い食べ物を十分に摂取し、元気に成長することが出来ます。

温度帯、水質、海底の地質など、多くの自然な要素が重なり合い、この海域は、まさしく「奇跡の漁場」ズワイガニ(松葉ガニ、越前ガニ)が、この豊富な栄養を吸収し、高品質なカニとして成長する理由がここにあります。

ズワイガニが生息する分布図。水深 250~400m。日本海固有水の存在で 水深250mでも、摂氏0度位になります。日本海特有の形状のお陰。

海の上層部は、対馬海流が入り込み マアジ、サバ類、ブリ、スルメイカ、サワラなど 回遊魚が、四季それぞれに水揚げされます。 上層部と海底は、全く別の海と言って良いほど、性質が異なります。

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